「うみねこのなく頃に」という名の新しい推理ゲームの形
「うみねこのなく頃に」が推理ゲームといえるか否かに関しては,「ひぐらし」の時に同じようなテーマで,十分に議論(笑)され尽くされた話題ですので,非常に今更感があるのですが,もう一度,改めてこのゲームの位置づけというか,面白さの秘訣みたいなものを量ってみたいと思います.
「ひぐらし」の推理形式の位置づけの説明は多々拝見してきましたが,その中でも最も「上手いなぁ」と思った表現が↓です.(すいません,ソース元を失念しました.)
デスノートの死神は許せるのに,ひぐらしの羽生は許せないっておかしくない?
そうなんですよね.竜騎士さんの描いている推理ゲームは,ホームズや金田一ではなくて,「デスノート」なんですよね.
「デスノート」では,死神というファンタジーを持つ犯人「キラ」の視点で,読者は物語を読み進めていくわけですが,「うみねこ」の場合は,「L」の視点で,死神というファンタジー要素も含めて推理を展開し,犯人を追いつめていかなくてはいけない.
つまり,読者の推理対象はその犯人だけではなくて,その世界観も対象に加わる,と言えます.
これは,いわゆる既存の推理モノの持っている「不可思議な現象は一切起こらない」という前提の元での,推理展開とは形が全く異なりますし,難易度も格段に上がることになります.
なるほど,これは一人の力で打開するのは非常に困難です.他人の脳も活かしての「共有知」で勝負しないことには勝ち目がないです.そこで,掲示板とかwikiが大いに盛り上がってくるんですね.
こういう風に考えてみると,「ひぐらし」や「うみねこ」の掲示板が盛り上がるのも必然といえるかもしれません.
これは,革命的な演出技法だと思います.というか,物語のジャンルに新しい枠組みが一つ加わったとさえいえるのではないでしょうか.
正直なところ,既存の推理ものは最近つまらなくなってきたような気がしてきていました.そのキャラクターの風体から犯人の予想がついてしまったり,登場人物の発言の聞き分けポイントが見えてしまったり,というような感じで.
今までその原因は,僕は作品の質にあるのだと思っていたのですが,もしかしたら読み手の知能が上がりすぎてしまったため,既存の「推理もの」というカテゴリーに限界が来てしまっていたのかもしれません.(最近のコ○ンでも,結構無理のあるトリックが,たまに見受けられますし…)
そういった中での,ファンタジー的な世界観さえも推理の対象に加える「新型推理モノ」というジャンルは,困難性の高い推理モノとしても,潜在的な需要は大きかったのかもしれません.
もちろん,作者様の文章能力の高さあってのゲームの面白さである,ということはいうまでもございません.
追伸>
真偽不明の解答考察(うみねこのなく頃にwikiより)を読んだのですが,ここに書いてある考察に大賛成します.
・新しいシナリオは,前回生き残った人間の「夢・愛が実現した世界」説
これは,前回の僕が記した「ちょっとした考察」と矛盾しないですし,非常に納得感のある説だと思いました.たった2話のシナリオでここまで推論された方は,本当にすごいと思います.
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